| TIBET2000 Day8_5 ティンリー | |
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これを書いている今、手元になぜか当時のノートが見当たらないので、ベース･キャンプからここまでどれぐらいかかったのか、などといった詳細な情報を書けない。この項は後ほど、ノートが見つかったら改めて書き直すこともあるかもしれない。 僕の記憶では4時間半ほどだったと思う。ようやくたどり着いたティンリーの町並みは、やはりどこか寂れた感じのする宿場街、といった雰囲気だ。右の写真に写っている道路の両脇にいくつかの建物があるだけで、とても｢街｣などと呼べたものではない。 この｢街｣は、シェーカルと区別するために、旅行者たちから｢ラオ・ティンリー(Old Thingri)｣と呼ばれている。いずれにせよ、シェーカル、ティンリーともに、チョモランマへの足場であることに違いはない。 |
| ベース･キャンプからティンリーへ向かうと、街の入り口で橋を渡る。僕は宿にいったん荷物を置いた後、顔色のすぐれないOさんに、くれぐれも静かに寝ておくように、そして、水を大量に飲むように、と言い残し、一人でもと来た道を100メートルほど戻り、橋へ向かう。 橋、というからには、その下に川が流れているのだが、ここは｢川｣というよりは｢湿地帯｣と言った方が適切だろう。橋の中央で南方を見やると、遠くにヒマラヤ山脈が見える。橋の欄干に沿うように祈りの旗が風になびいている。右手に見える丘の上には｢ティンリー・ゾン｣と呼ばれる城塞跡があるらしい。その丘の麓に見えるのは、ガイドブックによると、民家らしい。 僕はティンリー・ゾンなるものを見てみたいと思い、橋の下へと続く道を探し、下りていった。案の定、僕の足は湿地にずぶずぶと沈む。重い足を引きずりながら、僕は丘を目指した。 |
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