TIBET_2000 Day2_1 ジョカン
ラサには3日間ほど滞在する。標高5000mを超える峠をいくつか越えねばならない。そのための高地順応だ。

初日に動き回ったせいか、2日目は頭痛やめまいといった高山病の症状が思い切り出てきた。

だが、だからといって宿でおとなしくしているのは気が済まない。僕はラサでポタラに次いで有名な建造物であるジョカン寺(大昭寺)へと向かった。

「頭が痛い…」などとうめきながら午前中はベッドの中で過ごしたので、この日はすでに閉門してしまっていたが、ジョカンを取り巻く八角街(パルコル)という露店が集まった市場(といっていいのだろうか)に人通りが絶えることはない。僕はぶらぶらとパルコルを歩きながら、ジョカンの門前へと向かった。
ジョカンはすでに閉門しているのだが、その前は大地に五体を投げ出し、真剣に祈りを捧げる人で混雑している。一人が去ったと思ったら、また次が来る。常に誰かが何かを祈っている。すぐ近くで商いをやっている物売りの声も、この門前では祈りの声に掻き消されてしまう。


今日はこの後、ポタラ宮の内部に入る。
ラサで見たいものといえば、ポタラに尽きる。このジョカンや、河口慧海が修行したとされるセラ寺にも興味はあるが、それらは明日、もう少し高山病の症状が和らぐようなら行ってみようと思う。
僕はうずく頭でぼんやりとそんなことを考えながら、ジョカンを後にした。

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