| 木漏れ日 (2002/06/05 by くるん) |
| 「逢ってはいけない」 そう思いつつも、呼び出される度に車に乗った。 アリバイは外回りだったから、顔を見られないようにいつもシートを倒して乗った。 そんなコトするのは初めてだったけど、悔しかったけど、 逢いたい気持ちを優先すれば、しぜん、そうせざるを得なかった。 緑の木々に囲まれた一角、私たちのいつもの場所。 そこは工事用の土砂を捨てる場所で、日中は時折ダンプが通るくらい。 繁みに顔を埋める貴方の髪を撫で、喘ぎながら、ガラス越しの景色をぼんやりと見る。 海のように深く青い空と、風にそよぐ若葉が目に眩しい。 ヒタヒタと満たされていくカラダとは反対に、パサパサに乾いていくココロ。 「ワタシハ、イッタイ、ナニヲシテルンダロ・・・」 あなたはもてあました性欲を、私は寂しい心を捨てに、またこの場所へ来る。 |